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町指定 清滝(きよたき)石仏群
区分 | 町指定/彫刻 |
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員数 | 一 括 |
所有 | 平群町鳴川188番地 鳴川山元山上千光寺 |
指定 | 昭和53年 8月11日 |
時代 | 鎌倉~室町時代 |
その他 | 鳴川 清の滝付近 |
鳴川川に沿った千光寺の旧参道両側に刻まれている磨崖石仏群。 中心となる線刻地蔵立像は、行場の一つである清の滝の崖面に刻まれている。八尺地蔵と呼ばれるが、実際はさらに大きく、総高3.37m、仏身が2.9mあり、頭光月輪径は1.0mを計る。蓮華座上に立ち、右手に錫杖、左手に宝珠を持つ姿で、頭部は薄肉彫りで、他を線刻で表現している。銘はないが、その意匠から鎌倉中期の優品である。
この対岸には0.62×1.32mの横長の彫り込み内に釈迦・薬師・地蔵・弥勒・阿弥陀の五尊の座像(仏身35cm)が並んでいる。(かつては五智如来と呼ばれていた。) 八尺地蔵と五尊仏の間は、鳴川川と千光寺への参道であるが、これを跨いで勧請縄が掛けられている。鳴川集落への伝染病などを防ぐ願いが込められて毎年大晦日に掛け替えられている。
ここより奥に進むと左手の崖面上下に方形の彫り込みが穿たれており、貝吹き地蔵が各一体陽刻されている。上段には97cm角の彫り込みに仏身82cmの地蔵立像が、下段には93×67cmの彫り込みに仏身七五の地蔵立像が刻まれている。像容から室町後期~江戸初期の作とされている。
この北側の岩壁には83×41cmの船型の彫り込み内に仏身68cmの法螺(ほら)吹き地蔵が、57×41cmの船型の彫り込み内に仏身41cmのはらみ地蔵が並ぶように刻まれている。いずれも近世になってからの尊像である。
また、この手前、五尊仏と向き合うように上部に阿弥陀三尊の種字を刻んだ三界萬霊供養磨崖碑が並んで刻まれている。